飲食店で客に好印象を与える接客のポイントや注意点とは?

接客は、飲食店の売り上げを左右する大切なものです。
ファミリーレストランなどのチェーン店は、接客もマニュアル化されています。
しかし、それでも従業員の態度の差で繁盛している店と閑古鳥(かんこどり)が鳴いている店があるのです。
そこで、今回は飲食店で接客を行う際に気をつけるポイントをご紹介します。
飲食店は、ほかの業種よりも身なりや言動に気を使う必要があるのです。
接客の仕方ひとつで、店の売り上げは大きく変わるでしょう。
飲食店のオーナーの方は必見ですよ。

目次

  1. 顧客が不快に感じやすい従業員の言動とは?
  2. マニュアル道理にすればよい、というわけでもない
  3. オーナーが覚えておくべき接客の基本とポイントとは?
  4. ​おわりに

1.顧客が不快に感じやすい従業員の言動とは?

まず始めに、顧客が不快感を覚えやすい言動をご紹介します。
従業員が無意識に行っていることも少なくありません。

1-1.不潔に見える服装や行動

飲食店は、食べ物を扱う場所です。
ですから、従業員も清潔な服装で接客をしなければなりません。
たとえ調理中についたものでも、汚れた白衣などで接客しないように注意しましょう。
また、髪や爪は汚れがつきやすい場所です。接客中は極力触らないようにしてください。
さらに、化粧も種類によっては顧客が不潔に感じます。
特に、濃い色のネイルは就業前に落とすように指導してください。
さらに、お店の格によっては髪の色も気になる顧客もいるでしょう。
極端に明るい髪色にするのは避けましょう。

1-2.声の大小

注文を受ける際、聞き取れないくらい小さい声だと顧客は「本当にオーダーが通っているのか」と不安になるでしょう。
また、忙しいときは従業員にも余裕がなくなります。
つい乱暴な口調になってしまうかもしれません。
しかし、従業員の忙しさは顧客に関係ないのです。
ですから、「乱暴な接客をされた」という悪印象しか残りません。
逆に、大きすぎる声も顧客にとっては迷惑です。
居酒屋などでは、威勢のよい声であいさつをしたり注文を受けたりするように指導するところもあるでしょう。
しかし、飲食店は食事をするだけでなく、歓談を楽しむ場所でもあります。
ですから、あまり従業員の声が大きすぎると不快に感じる人もいるでしょう。
また、大きな声を出すには口を大きく開けなければなりません。
「つばが飛びそうでいや」という方もいるでしょう。

1-3.接客のタイミング

飲食物を提供するタイミングが悪いと、顧客は不快感を覚えやすいのです。
たとえば、お酒とおつまみを注文したのにお酒だけが先にきていつまでたってもおつまみが出てこなければ、イライラするでしょう。
また、時間帯によっては厨房(ちゅうぼう)が混みあって、すぐに料理が提供できないこともあります。
そんなときでも、何かフォローの一言があれば顧客は納得してくれるでしょう。
逆に、何も言われないままいつまでもまたされれば、顧客は不快感を覚えます。

1-4.従業員同士のおしゃべり

従業員同士が業務に関係のないおしゃべりをしていると、不快に思う顧客は少なくありません。
たとえ、店内に客がほとんどいない状態であっても、従業員がおしゃべりをしているとだらしなく感じられるでしょう。

2.マニュアル道理にすればよい、というわけでもない

ファミリーレストランなどのチェーン店では、接客のマニュアルが完備されているところも少なくありません。
このようなマニュアルは、顧客を満足できるように考え抜かれて作られたので、そのとおりに接客すれば大半の顧客は満足してくれるでしょう。
しかし、世の中にはいろいろな人がいます。
Aさんは好ましいと感じたサービスでも、Bさんは不快だと思うこともあるのです。
ですから、マニュアルどおりに接客することも大切ですが、顧客の様子を見て声のトーンを落としたり尋ね方を変えたりすることも必要でしょう。

3.オーナーが覚えておくべき接客の基本とポイントとは?

オーナーは店の頭脳であり司令塔です。
ですから、オーナーが接客の基本やポイントを知らなければ、授業員を動かすことはできません。
この項では、オーナーが覚えておくべき接客の基本やポイントをご紹介しましょう。

3-1.清潔感は基本中の基本

飲食店の従業員は、清潔感が第一です。
働きときは長い髪はまとめ、爪は短く切りましょう。
アクセサリーも極力つけないように指導してください。
結婚指輪も汚れていれば、顧客は不快感を覚えます。
また、白は清潔感がありますが、汚れが目立つというデメリットもあるのです。
ですから、制服を作る場合は白を使いすぎないようにしましょう。
エプロンを白にする場合は、予備を用意しておくと汚れてもすぐに取り換えられます。
また、いくら暇な時間帯でも、厨房(ちゅうぼう)の中で調理や清掃以外のことはしてはいけません。
特に、オープンスタイルのキッチンの場合は、目撃した顧客が不快感を覚えやすいでしょう。

3-2.提供が遅くなる料理は、注意書きをつける

飲食店に来る顧客は、だれもが時間に余裕があるわけではありません。
特に、ランチタイムは一分でも早く食事がしたい、という顧客も多いです。
ですから、料理の提供が遅くなる場合は、かならず一言断りましょう。
たとえ、「時間がかかるからいいや」と顧客に出て行かれたとしても、印象が悪くなることはありません。
時間があるときに、もう一度来店してくれることもあるでしょう。
また、提供にどうしても時間がかかるメニューは、あらかじめ断りを入れておくと顧客がイライラすることもありません。

3-3.従業員の声や動きは顧客の邪魔にならないことが鉄則

高級なレストランでは、従業員は静かに動き声のトーンも低めです。
また、顧客が軽く手を上げるだけで、すぐにやってきてくれるでしょう。
従業員の動きや声が、顧客の食事を邪魔してはいけません。
元気のよいあいさつや返答は、店内を明るくします。
しかし、大声を出せばよいというわけでもありません。
それよりは、笑顔で接客した方が印象はよくなります。
また、忙しい時間帯は従業員の数を増やしましょう。

3-4.酔っぱらいの相手は同性の従業員が行う

アルコールを提供する店では、顧客が酔っぱらうこともあります。
中には、従業員に絡みだすこともあるでしょう。
そうなると、ほかの顧客にも迷惑がかかります。
顧客が酔っぱらって従業員に絡みだしたら、同性の従業員が相手をしてください。
特に、男性の酔客に若い女性の従業員が接客すると、騒ぎが大きくなることもあるでしょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は接客の際に気をつけるポイントなどをご紹介しました。
まとめると

  • 飲食店の従業員は、清潔であることが第一。
  • 顧客の食事の邪魔をしないようにサービスを行う。
  • 提供に時間のかかる料理は、断りを入れる。
  • マニュアル道理に接客をすればよいというわけではない。

ということです。人が飲食店に求めるものは、店によって異なります。
客単価が高い店ほど、従業員の態度にも厳しい注文がつけられるでしょう。
しかし、お手ごろな価格な店も、いいかげんな接客をすれば顧客が離れてしまいます。
たとえ注文を取り、料理を運ぶだけの接客でも笑顔と丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
それだけで、顧客の印象はずっとよくなります。
また、従業員が笑顔を忘れるほど忙しいのであれば、人員が不足している証(あかし)です。
短時間だけでも、人を増やしましょう。
また、ランチタイムとそのほかの時間では、メニューを変えることも効果的です。