大判サイズの印刷ってできるの? 5分で学ぶプリント基礎知識!
これから夏休みに入ると、飲食店やレジャー関連業の方などは忙しくなってくると思います。時期に合わせてポスターや看板を設置して、宣伝しようと考えている方も多いことでしょう。とはいえ、普通の印刷機でプリントしたものでは小さすぎて目立ちません。せっかく宣伝するなら、大判印刷を利用した方が合理的ですよね。そこで、今回は知って得する大判印刷の基礎知識をご紹介します!
この記事を読むことで、大判印刷に関する基本情報を手に入れることができます。業者を選ぶ際のポイントなどについても解説しているので、ぜひお見逃しなく!
1.大判印刷について
1-1.印刷について
1-1-1.印刷(プリント)とは?
印刷(プリント)とは、紙などの媒体にインクで文字や絵、写真などを写し出すことです。商業印刷物、出版印刷物、事務用印刷物(事務用伝票)などを一般印刷物といいます。
1-1-2.印刷の歴史
歴史は非常に古く、7世紀ごろには中国で木版印刷が発明されていました。その後、15世紀に入ると、事前に金属で作った文字を並び替えて印刷する活版印刷が発明されます。イメージとしてはタイプライターに近いでしょう。そして、18世紀になると、産業革命の影響もあって次々に改良がなされていき、私たちのよく知る印刷機のプロトタイプともいえる機械が生まれていきました。
1-2.大判印刷について
宣伝目的の場合、大きく印刷することは理にかなっています。普通の張り紙が壁に貼ってあるよりも、壁一面や大きな看板、横断幕などに広告が貼られていた方が目立ちますし、遠くからでも視認が可能だからです。しかしながら、普通のプリンターではA3サイズまでしか印刷できませんよね。そこで、一般的なプリンターでは対応できないサイズの印刷物を制作するために考案されたのが、大判印刷(大判出力)なのです。
1-3.大判印刷の必要性と効果
1-3-1.どんなときに必要?
ポスターや壁面・看板などに貼る広告を印刷する際には必要となってくるでしょう。一般的なプリンターでは、A3サイズが最大です。壁や看板に貼ることを想定している場合、A3では小さすぎて目立ちません。しかし、大判印刷であれば、A0(841×1189 ミリ)など、大きなサイズでも印刷が可能です。
1-3-2.大判印刷の効果とは?
宣伝目的の場合、大きく印刷することは理にかなっています。なぜなら、大きければ大きいほど、遠くからでも視認できるからです。また、大きい方が目に入りやすいので、近くを通った際にも記憶に残りやすくなります。
1-3-3.どこからが大判扱いになるの?
業者によって、大判サイズの扱いは変わってきます。一般的には、B3サイズくらいから大判印刷の扱いになってくるでしょう。
1-4.大判印刷の実例
たとえば、駅の構内に貼られているポスターや町中の看板広告などは、大判出力された紙が貼られていることが多いでしょう。また、以前は染めて作られることが多かった横断幕や店頭幕なども、最近は大判印刷されたものが増えてきています。
1-5.メリット
普通、業者に印刷を依頼すると最低でも数十枚~数百枚のオーダーが必要となります。しかし、大判印刷は1枚だけの出力でも対応してくれることが多いので、無駄にならずコストパフォーマンスにも優れているのです。そのため、現在制作されている看板の多くが、大判印刷によるものだといわれています。
2.大判の印刷、製作について
2-1.印刷の方法、種類について
2-1-1.印刷方法の種類
印刷は、印刷機の種類によっていくつかに分けられます。
- オフセット枚葉印刷
- オフセット輪転印刷
- グラビア印刷
- フレキソ印刷
- 活版印刷
- スクリーン印刷
- シール印刷
- フォーム印刷
- オンデマンド印刷(デジタル印刷)
現在、一般印刷として最も普及しているのがオフセット枚葉印刷です。オフセット(OFF・SET)とは直訳すると「付けて離す」となります。その言葉どおり、媒体に直接転写するのではなく、まずブランケットと呼ばれる部位に転写(OFF)してから、紙などの媒体に再度転写(SET)するわけですね。
2-1-2.紙の種類
大判印刷で使われる紙には、主に以下のような種類があります。
- 普通紙
- コート紙
- マットコート紙
- 写真画質光沢紙
ちなみに、印刷を頼むと、「コート135kg」のような感じで、見慣れぬ表記法がされていてよく分からないですよね。実は、印刷用紙の名称には表記のルールがあり、「(紙質の名称)+(紙の厚み)」となっています。つまり、コート135kgの場合、135kgの厚みのコート紙ということです。ちなみに、ここでいう「kg」は1,000枚重ねたときの重さとなります。なぜ、重さで表記するのかというと、もともと、製紙業者と印刷業者が重さで取り引きをしていたためです。
2-2.大判印刷できるサイズ
業者によって得意なサイズというのは違います。そのため、一概にはいえませんが、B3~A0が大判印刷できるサイズでしょう。
2-3.どんなところで印刷できるのか?
最近は印刷業界の垣根がなくなりつつあり、関連業種の多くで印刷をしてくれます。しかし、技術や精度などの点で、やはり印刷業者に依頼するのが良いでしょう。
2-4.大体の価格
サイズや紙の種類によって値段は変わってきます。たとえば、A0サイズを普通紙で印刷をすると2,500~3,000円程度ですが、写真画質光沢紙だと7,500~8,000円程度でしょう。
2-5.製作時間
業者によって、データを入稿してから完成するまでの期間に開きがあります。当日完成させる業者もあれば、数日かかる場合もあるでしょう。また、追加料金などで早くなる場合もありますので、一概にはいえません。さらに、サイズや紙の種類、繁忙期か閑散期かなどによっても変わってきます。詳しくは、業者に聞いてみましょう。
2-6.デザインについて
デザインはかなり自由に指定が可能です。また、業者によっては、用途などに応じてどのようなデザインが一番いいかなどの提案もしてくれます。
3.大判印刷の業者選びのポイント
3-1.製作の流れ
まずはインターネットか電話で業者に相談をしましょう
- 目的の印刷を業者側で請け負えるようであれば、見積もりの依頼をします
- 数日以内に見積もりが出ます
- 見積もりに納得がいくようであれば、業者に依頼をしましょう
- 原稿データを用意し、場合によってはデザインなどの打ち合わせをします
- 印刷され、納品されます
3-2.業者選びのポイント
印刷業者選びのポイントは以下の3点です。
- 品質が良いかどうか
- コストはどのぐらいか
- 迅速に対応してくれるか
最も重要なのは、やはり品質が高いかどうかでしょう。いくら安く早くても、品質が期待どおりでなければ本末転倒だからです。その上で、どれだけ低コストか、どれだけの期間で納品されるかなどを考慮に入れて業者を選びましょう。そのためには、やはり事前のリサーチと見積もりが重要になります。口コミやホームページに掲載されている実績などをリサーチしておきましょう。
3-3.印刷の相談について
印刷に関する相談は、印刷業者にしてみましょう。業者にもよりますが、無料で相談を受けてくれます。分からないことや、ほかの業者で断られた案件などについても、気軽に相談してみてください。
3-4.注意点
印刷業者にも繁忙期と閑散期があります。一般的には10月~年末が繁忙期で、6~8月が閑散期です。時期にこだわりがないのであれば、忙しい時期に依頼するのはできるだけ避けましょう。
4.大判印刷でよくある質問
4-1.普通紙とコート紙、写真画質光沢紙って何が違うの?
コート紙は普通紙に比べてツルツルとしており、写真などの印刷でもキレイに仕上がります。また、写真画質光沢紙はコート紙よりもさらにツルツルで、色の再現性などに優れているのが特徴です。
4-2.見積もりにお金はかかりますか?
業者にもよりますが、基本的には無料で見積もりを出してもらえます。もちろん、弊社でも無料で見積もりが可能です。気軽に相談してみてください。
4-3.対応している原稿データは何ですか?
どの業者でもイラストレーター形式のデータが基本です。しかし、業者によってはフォトショップやインデザイン、パワーポイントなどの形式でも対応が可能な場合があります。業者のホームページなどを確認しておきましょう。
4-4.イラストレーターだと正しく印刷されないと聞きました
印刷方法にもよりますが、イラストレーターのドロップシャドウ・透明・ぼかし・フィルター効果などは、正しく印刷されないことがあります。ただし、場合によっては、フィルター部分をフォトショップで作成することで対処が可能です。業者側に尋ねてみましょう。
4-5.看板やポスター等として使う場合、耐用年数はどのぐらいですか?
およそ2年です。ただし、日当たりや雨が当たりやすい場所かどうかなどで、大きく寿命は変わってくるでしょう。2年の目安はラミネート加工がなされていることを前提としています。ラミネート加工がされていないと、条件によっては数日でダメになってしまうこともあるので注意が必要です。また、屋内で使う場合にはラミネート加工は必要ありません。しかし、直射日光や湿気、タバコの煙などがある環境では、やはりラミネート加工されていた方が長持ちします。
まとめ
いかがでしたか? 今回は大判印刷についてご紹介しました。大判印刷とは、普通のプリンターでは対応できないサイズで出力することをいいます。大判印刷は特に広告等に最適です。大きいため目に入りやすく記憶にも残りやすくなります。印刷業者を選ぶ際には品質やコスト、対応の早さなどを重視しましょう。見積もりは多くの業者で無料です。まずは、気軽に相談してみましょう!