飲食店のBGMの選び方と効果で知っておきたい3つのポイント
飲食店で使うBGMには重要な意味があります。売り上げがBGMの選択で大きく変わることもあるのです。音楽にはそれだけ人を動かす力があります。それでは、BGMにはどのような効果があるのでしょうか。BGMの選び方も合わせてご説明します。
1.BGMの効果
1-1.マスキング効果とは
BGMには大きく分けて3つの効果があります。マスキング効果、コントロール効果、そしてイメージ誘導効果です。まず、マスキング効果とは、簡単に言えば雑音を聞こえなくする効果と言えるでしょう。音楽の音量が大きいので雑音が聞こえないわけではありません。周波数によって聞こえる音と聞こえない音があり、音楽によって上手に雑音を聞こえなくできるのです。雑音には、外部から聞こえる音や調理場の音、隣接するオフィスや別の店舗の音などがあるでしょう。せっかくの雰囲気も雑音で台無しになります。BGMを賢く選ぶなら、しっかりした雰囲気と世界を店舗内に作り出せるのです。
1-2.コントロール効果を活用しよう
コントロール効果とは、顧客の気持ちを動かす効果です。つまり、もっと買いたくなる気持ちやもっと注文したくなる気持ちを促します。簡単に言えば、感情を動かす効果とも言えるでしょう。人が持つ潜在意識に働きかける効果です。ですから、BGMが直接「買う」ことや「注文する」ことを歌っていなくても、気持ちが高まり、行動したくなる効果となります。
1-3.イメージ誘導効果で売り上げアップ
イメージ誘導効果は、店舗のイメージを形作る効果です。同じ環境や立地条件、同じ内容の商品でも、感じる雰囲気は店舗によって異なります。もちろん、店員の雰囲気や店舗のテーマ、色使いなども感じる雰囲気を変えるポイントです。同時に、BGMも店の雰囲気や印象を大きく変える重要なポイントになります。高級感や落ち着き、楽しさやスタイリッシュ感などイメージは、音楽によって大きく変わるのです。同時に、顧客ターゲットがどのような客層なのかによっても、飲食店で前面に出したいイメージは異なるでしょう。そのため、BGMの選ぶときは必ず顧客ターゲット層を念頭に置いてください。
2.BGMの選び方
2-1.ターゲットを狙って選ぶ
飲食店では、中高年を顧客ターゲットにするか、若年層を顧客ターゲットにするかで大きくBGMの選択は異なります。いわゆる「懐メロ」は中高年層に大きく影響するでしょう。とはいえ、「若年層ははやりの音楽を必ず好む」というわけではありません。楽しく友達と騒ぐような場所なのか、ゆっくりと会話を楽しみたいのかによってもBGMは変わるでしょう。店の雰囲気やテーマをしっかりと持つのが大切です。顧客ターゲットを念頭におきつつも、店のテーマにしっかりあった音楽を選んでください。
2-2.環境に合わせて選ぶ
ランチとディナーではBGMを変えましょう。CDショップでは、朝食やランチをテーマにした音楽が売っています。「ランチは明るくしたい」、「ディナーは大人の雰囲気で」などのイメージをしっかり持ちましょう。そのテーマにあった音楽を選ぶわけです。また、雨の日や晴れの日をイメージした音楽も準備してください。クラシックやジャズ、ボサノバやポップスなど、音楽ジャンルも統一しましょう。環境や時間帯を見極めながら、BGMを変えるのが大切なコツです。
2-3.雰囲気を変えるために選ぶ
ショッピングモールなどでは、閉店時間になると必ず流れる音楽が決まっています。「閉店です」というアナウンスをかけなくても、自然と客は帰るべき時間を理解するのです。このような雰囲気を変える効果をBGMにも期待できます。また、客足の展開を早めたいときにBGMを活用することも可能です。たとえば、車を運転するとき、テンポのよい音楽ならスピードを出しやすいでしょう。同じように、行動を促すために音楽によって人は活動のスピードを変える傾向があるのです。
3.BGMを選ぶときの注意事項
3-1.自分の趣味で決めてはいけない
人によってそれぞれ音楽の趣味は異なります。しかし、自分や店員が聴きたい音楽をBGMに選んではいけません。顧客ターゲットの心や潜在意識に訴える音楽を選ぶべきです。たとえば、自分はクラシック音楽を趣味では聞かなくても、クラシック音楽を店舗のBGMに選ぶべきときもあります。ロック音楽が好きでも、ボサノバをかけるべきときがあるのです。特に自分が経営者として判断する立場であれば、趣味と仕事をしっかり分けるように心がけてください。
3-2.音量にも注意しよう
選んだBGMがよくても、音量が低すぎる、大きすぎるなどでは意味がありません。スピーカーの量も大きく関係します。音楽の音にこだわるなら、大きなスピーカーを欲しくなりますが、テンポ全体にまんべんなく音楽を流すには、天井に埋め込み式のスピーカーをつけ、スピーカーの数を増やして対応するほうがよいでしょう。音量には十分気をつけてください。客の量が多いときと少ないときの適切な音量をチェックしましょう。スピーカーに近い場所での音量が大きすぎないよう確認してください。
3-3.テーマの統一を図ろう
BGMは飲食店のテーマを作り上げるための大事な要素です。とはいえ、飲食店のテーマを形作るのは、音楽だけではなく、店舗全体の色使い、ライト、トレードマーク、テーブルや椅子の質感などさまざまでしょう。飲食店の店舗で用いるものすべてに統一感を持つのは大切です。コースターやペーパーナプキンなども安易に市販のものを使わず、しっかりこだわりを持ちましょう。店舗名を入れるだけでも大きく違います。細かい部分にも質感や色などにこだわってください。店舗のイメージはそのようなすべてのアイテムをすべて含んで作られるものです。
まとめ
いかがでしたか。飲食店のBGMには売り上げに大きな影響を与える効果があります。状況に応じてBGMを変えるために、十分なBGMのストックを確保しましょう。音楽だけではなく、全体の統一感を持つのも大切です。細かな部分も再チェックして、納得のいくアイテムをそろえましょう。