飲食店がはやりやすい立地条件とは?駅前だけがよいとは限らない?
飲食店を出店する場合、大切なのは立地条件です。
魅力的な料理を出す店であっても、立地条件が悪ければはやりません。
そこで、今回は飲食店を出店する際の立地条件についていろいろとご説明しましょう。
飲食店を出店する場所、といえば駅前が代表的です。
しかし、駅前に出店したからといって必ず成功するとは限りません。
また、飲食店の種類によっても繁盛する立地条件は違います。
これから飲食店をオープンさせたい方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。
1.飲食店が出店しやすい場所とは?
まず始めに、飲食店が出店しやすい場所をご紹介します。
駅前でなくても顧客が集まる場所はどのようなところでしょうか?
1-1.駅前
飲食店を出店する、というとまずは駅前を思い浮かべる方が多いでしょう。
利用者が多い駅ほど飲食店の需要は高いです。
最近は「駅中」といって、改札口の内側に出店している店もあります。
しかし、駅前は家賃も高く競争率も激しいというデメリットもあるのです。
さらに、客単価が高く提供に時間のかかる料理を主体とする飲食店は、限られた時間を有効に使って食事をしたいという顧客が多い駅前では、かえってはやらない場合もあります。
1-2.ビジネス街
オフィスが多いビジネス街は、サラリーマンやOLの昼食を取る場所としての需要があります。
また、カフェや喫茶店も商談の場所として使われることも多いでしょう。
さらに、以外に需要が高いのが出前です。
食事だけでなく、飲み物の出前を求めているところも少なくありません。
ですから、昼時だけでなく、会社が定時になるまで注文がとぎれないこともあるでしょう。
しかし、その反面夜間や休日は人通りが全くなくなることも珍しくありません。
ですから、じっくりと腰を落ち着けて食事とお酒を楽しむ店や、バーなどははやらないことも多いです。
1-3.商店街
商店街は、いろいろなお店が並んでいる場所です。
ですから、人通りは十分でしょう。しかし、買い物ついでに食事をしようという顧客がどのくらいいるかは、わかりません。
商店街は日常の買い物をする場所です。
利用者は主婦や高齢者が多いでしょう。
でも、主婦や高齢者が買い物ついでに食事をしようと思うことは、決して多くはありません。
しかし、テイクアウトができるお店や出前を主体とした店は、需要があるでしょう。
また、商店街があるということは、近くに民家も多いということ。
夜に家の近くでじっくりと腰を据えて食事やお酒を楽しんだりしたい、という人も多いでしょう。
ですから、客単価が高めの居酒屋やレストランがはやることもあります。
1-4.幹線道路沿い
幹線道路沿いにも、飲食店が多数出店しています。
大きな看板を出し、一目でどのような飲食店であるかわかるものが多いでしょう。
幹線道路沿いの飲食店に必須なものが、駐車場です。
広く入りやすい駐車場があるだけで、はやるお店もあるでしょう。
また、腰を据えて長時間楽しみ店よりも、ラーメンなどさっと食べていけるお店の方が人気は出やすいです。
さらに、ファミリーレストランのように家族連れで楽しめる店も、人気が出るでしょう。
1-5.住宅街
意外に思われるかもしれませんが、住宅街でも飲食店は出店できます。
このような場所に出店するのなら、「隠れ家的レストラン」のような、高級感のある店の方が人気は出やすいでしょう。
住宅街に出店するメリットは、顧客が訪れやすいことです。
たとえば、多少夜遅くなっても酔っていても、家から近ければ問題ありません。
ですから、客単価も高くなりやすいのです。
しかし、その反面あまり遅くまで店を開けていても、メリットが少ないこともあります。
2.立地条件の調査の仕方とは?
飲食店を出店させるときは、多くの方がマーケティングを行うでしょう。
この項では、本当に役に立つ調査方法をご紹介します。
見ておくべきポイントとはどこでしょうか?
2-1.人通り
飲食店を出店させようと考えている場所の多くが、一定の人通りがあります。
しかし、いつ人通りが増えたり減ったりするのかは、場所によって違うでしょう。
たとえば、ビジネス街は昼から夕方、そして出勤時間は人通りがあります。
しかし、夜遅くや休日は人影もまばら、ということもあるでしょう。
逆に、飲食店が多い繁華街は、夜遅くまで人通りがたえず、終夜営業をしても採算が取れることもあります。
自分が出店する店が、朝~夜のどこの時間帯に需要があるかよく考えて、その時間帯に人通りが多い場所を選びましょう。
2-2.ライバル店の位置
駅前や繁華街には、同じ品物を提供する店が複数あることも珍しくありません。
ですから、自分が出店しようと思う店がたくさんある場所は、当然競争も激しくなるでしょう。
しかし、たとえば駅前の居酒屋がいつ電話をしても予約が取れないという場合は、居酒屋を出店すれば、顧客が集まる可能性があります。
ですから、店の数や位置だけでなく混雑具合も確かめるとよいでしょう。
2-3.店の位置
飲食店は、比較的いろいろな場所にオープンできます。
1階と2階で別々の飲食店が入っていることも、珍しくないでしょう。
また、地下にお店があるということも珍しくありません。
居酒屋などは、地下や外が全く見えない場所でも問題はないでしょう。
しかし、風光明媚(ふうこうめいび)な観光地にあるカフェなどは、外の景色が見えないと顧客が入らない、ということもあります。
また、たとえ店内が狭くても窓が大きく取ってあって外が見える場所は、開放的で落ち着きやすいという効果もあるのです。
客単価を重視したいのか、回転率を重視したいかによってもお勧めの場所は変わってきます。
2-4.家賃
自宅を改造して飲食店を始めるという場合以外は、家賃が発生するでしょう。
一般的に人通りが多い駅前や繁華街ほど家賃が高い傾向にあります。
このような場所に店をオープンさせれば、看板を出すだけで宣伝になるでしょう。
ですから、広告費がかからないといったメリットもあります。
しかし、家賃は店を借り続ける限り発生するのです。
顧客がこなければすぐに資金繰りに行き詰まるでしょう。
逆に、ちょっとわかりにくい場所は家賃が安いです。
その代わり、宣伝を工夫しないと「ここに店がある」ということすら知られません。
今は、インターネットでも盛んに宣伝ができる時代です。
宣伝の仕方さえ成功させれば、多少の立地条件の悪さは問題にならないでしょう。
しかし、車が必須の場所に建っているのに駐車場がない、という物件は宣伝が成功しても繁盛させるのは難しいです。
3.おわりに
いかがでしたか?
今回は、飲食店を出店する際の立地条件に付いていろいろとご紹介しました。
ごくまれに「すごくよい立地条件なのに、家賃が格安」という物件もあります。
しかし、そのような物件はなにがしかのデメリットがあることが多いでしょう。
たとえば、上に騒音を出す物件が入っていて、落ち着いて食事ができないなどです。
ですから、「家賃が安くて立地条件がよい」という物件は、入念に下調べをしてください。
さらに、居抜きの物件は開業資金が安くすみますが、あまりきれいな居抜き物件も注意が必要です。
立地条件はよいのですが、飲食店を営業するには不向きという物件もあります。
ですから、できるだけ時間をかけて調査しましょう。